プロンプト設計がClaude Codeの出力品質を決める
Claude Codeは同じモデルを使っていても、指示の出し方で出力品質が大きく変わります。Anthropicの公式ベンチマークでも、モデル性能よりもハーネス(AIを動かす仕組み)の設計が成果を左右することが示されています。同じOpus 4.5を使っても、ハーネス設計の違いでベンチマークスコアに大きな差が出るのです。
つまり、Claude Codeで成果を出すには「何を、どう伝えるか」の設計が不可欠です。
CLAUDE.mdの設計 — AIに思想を与える
CLAUDE.mdはClaude Codeが毎回読み込む設定ファイルです。ここに何を書くかで、AIの振る舞いが根本的に変わります。
書くべきこと
- プロジェクトの目的: 何を作っているのか、誰のためのものか
- 技術スタック: 使用フレームワーク、言語、バージョン
- コーディング規約: 命名規則、ファイル構成のルール
- テスト・デプロイコマンド:
npm test、npm run buildなど - 判断基準: 速度優先かコード品質優先か、など方針レベルの指針
書きすぎない勇気
実務で得た教訓があります。CLAUDE.mdに300行のルールを書き込んだところ、逆にAIが混乱して指示を守らなくなりました。99%を削除して「思想」だけを残したら、最高の仕事が始まったのです。
ルールを細かく列挙するのではなく、プロジェクトの方向性と判断基準を伝える方がClaude Codeは的確に動きます。細かいルールはコード自体やlintツールに任せましょう。
CLAUDE.mdのサンプル
# プロジェクト概要 AI実践ガイド — X+note+YouTube統合型自社メディア 対象: AI活用に興味がある非エンジニア # 技術スタック Python 3.12 / Jinja2 / Cloudflare Pages # 方針 - 記事は実践的・具体的に。概念説明だけで終わらない - 2000〜4000文字、h2見出し4〜7個 - 事実として書く内容は正確に
記憶の3層構造を使い分ける
Claude Codeが言うことを聞かない原因の多くは、記憶の置き場所の問題です。3つの階層を正しく使い分けることが重要です。
- ~/.claude/CLAUDE.md(グローバル): 全プロジェクト共通のルール。コードスタイル、応答形式など
- プロジェクト直下のCLAUDE.md(ローカル): そのプロジェクト専用のルール。技術スタック、固有の規約
- 会話内の指示(セッション): その場限りの一時指示。タスク説明や修正依頼
繰り返し使うルールはCLAUDE.mdに書く。会話内で何度言っても守らない場合、それはCLAUDE.mdに書くべきサインです。
コンテキスト渋滞を防ぐ
Claude Codeの最大の落とし穴が「コンテキスト渋滞」です。会話履歴が長くなると、コンテキストウィンドウが埋まり、初期の指示やCLAUDE.mdの内容が押し出されてしまいます。結果、AIの出力品質が突然劣化します。
対策
- 1タスク1セッション: 大きなタスクは分割し、タスクごとに新しいセッションを起動する
- /compact の活用: 会話が長くなったら
/compactで要約・圧縮する - 重要ルールはCLAUDE.mdへ: 会話内で繰り返す指示はファイルに書き出す
- 不要な出力を減らす: 「途中経過は出力しない」「結果だけ返して」と指示する
効果的な指示の出し方
ゴールを先に伝える
手順ではなく、達成したい状態を伝えるのが効果的です。
❌ まずpackage.jsonを開いて、依存関係を確認して、それからテストを書いて... ✅ このプロジェクトのユーティリティ関数に対するユニットテストを追加して。Jestを使って
制約条件を明示する
✅ 既存のAPIインターフェースは変えないで。内部実装だけリファクタリングして
段階的に進める
一度に全部を任せるよりも、段階的に指示を出す方が精度が上がります。
1回目: 「ユーザー認証機能の設計案を出して」 2回目: 「その案でいこう。まずログイン画面のコンポーネントを作って」 3回目: 「次にAPIエンドポイントを作って」
settings.jsonでハーネスを強化する
Claude Codeにはsettings.jsonという設定ファイルもあります。長時間タスクで品質が崩壊する場合、ハーネス設計を見直すことで改善できます。
たとえば、特定のファイルパターンへの書き込みを制限したり、コマンド実行の自動承認ルールを設定したりできます。プロジェクトの .claude/settings.json に配置します。
CLAUDE.mdが「何をすべきか」を伝えるのに対し、settings.jsonは「何ができるか(権限)」をコントロールします。両方を組み合わせることで、安全かつ高品質な自動化が実現します。
まとめ
Claude Codeのプロンプト設計は、技術的なスキルというよりも「AIへの仕事の任せ方」の設計です。CLAUDE.mdに思想を書き、記憶の階層を正しく使い分け、コンテキスト渋滞を防ぐ。この3つを押さえるだけで、出力品質は劇的に変わります。